喧騒と紫煙が淀む、場末の居酒屋。安酒のアルコールで火照った脳髄が、俺の舌を滑らかにさせていた。
「見た目は派手だけどな、あいつは俺が驚くくらい一途なんだよ」
友人の羨望の眼差しを浴びながら、俺はとろけるような優越感に浸っていた。元アパレル店員の妻・美咲。その白くなめらかな肌も、しなやかな肢体も、すべて俺だけのもの――そう、疑いもしなかった。
だが、俺がその貞淑さを誇っている正にその刹那、妻がどんな顔をしているか、想像さえしていなかったのだ。 俺の知らない男の、野獣のような体臭に包まれ、汗ばんだシーツの上で乱れている姿を。
「…あッ、だめ、そんな奥まで…ッ、いっちゃう…!」
俺の前では決して見せない、獣のような喘ぎ声。理性を焼き尽くす快楽の奔流にのまれ、白濁した蜜を垂れ流しながら、彼女は堕ちていく。 俺が信じた「一途な愛」が、太く黒い欲望によって蹂躙され、ドロドロに溶かされていくとも知らずに。
あの日、俺たちの間に割り込んだ‘あの男’。 奴が妻の未開発だった狭い肉壁をこじ開け、背徳の蜜を啜り尽くすまで、俺はあまりにも無知で、あまりにも幸福だったのだ。

