密室に仕掛けられた10台の眼球(カメラ)だけが、その背徳の儀式を静かに見つめていた。
西日が差し込む学習机の横、夫以外の男を知らないはずの彼女からは、安物の芳香剤とは違う、上質で甘やかな百合の香りが漂う。当初、赤いペンを走らせていたその白い手は、今や教え子である少年の剛直な楔(くさび)に触れ、行き場を失ったように空を切っていた。
「……だめ、こんなこと……ご主人に申し訳が……」
震える唇から漏れるのは、拒絶という名の誘い水だ。若さゆえの暴力的な熱量を秘めた少年の体温が、彼女の薄いブラウス越しに伝播し、貞淑な人妻の理性をじわじわと溶解させていく。未熟なはずの彼が隠し持っていた、規格外の巨根。それは、平凡な夫婦生活では決して味わうことのなかった凶器であり、彼女の奥底に眠る雌の官能を抉じ開ける鍵でもあった。
抗えない本能が、彼女の瞳を潤ませ、白い肌に桃色の紅潮を咲かせる。視線が絡み合うたび、部屋の湿度はねっとりと上昇し、呼吸をするだけで肺が焼けるような錯覚に陥る。
「先生、夫(あのひと)より……こっちの方がいいんでしょう?」
少年の無邪気で残酷な問いかけが、彼女の耳元で甘く囁かれる。罪悪感というスパイスが、快楽を極限まで高めていく。ソファへと押し倒された彼女の帯が解かれ、顕になった柔らかな肢体が、少年の熱に蹂躙されていく様は、あまりにも無防備で淫らだ。
夫の知らぬ間に、学業を教えるはずの聖域で繰り広げられる情事。彼女はもう、教師の顔をしていない。ただ快楽に溺れ、雄の剛直をその身の奥深くまで受け入れようと腰を揺らす、一人の「女」がそこにいた。レンズ越しに記録されるのは、堕ちていく人妻の、あまりに美しく、あまりに浅ましいNTRの真実である。

